コンクリートは、固まる前のフレッシュコンクリートと、固まった状態の硬化コンクリートに分けられます。
通常、凝結・硬化過程を過ぎたコンクリートを総称して硬化コンクリートと呼んでいます。硬化コンクリートの性能は、材齢によって大きく変化し、硬化初期の状態がその後のコンクリートの品質に大きな影響を及ぼします。
┣ 強度
コンクリートは構造物などの圧縮力には十分耐えることができますが、引張り強度は期待できず、圧縮強度の1/10~1/13 程度と言われていますが、高強度コンクリートの場合は,その比が小さくなるといわれています
┣ クリープ
クリープとは英語で直訳するとゆっくり進むという意味です。応力に伴う変形で、荷重が持続的にかけられた状態で時間の経過とともに塑性変形量が増大していく現象です。
湿度が低いほどクリープひずみは大きい。(部材寸法が小さいほど、乾燥しやすくクリープひずみは大きくなります。)
セメントペースト量が多いほど、クリープひずみは大きい。
載荷時材齢が若いほどクリープひずみは大きい。
水セメント比が大きいほど、クリープひずみは大きい。
クリープひずみは載荷応力に比例して大きくなります。
┣ 体積変化
コンクリートは吸水することにより膨張し、乾燥することによって収縮します。
乾燥により収縮し、収縮がコンクリートの拘束によって妨げられると、ひび割れが発生する恐れがあります。
コンクリートに使用する部材が大きいほど、乾燥による収縮は小さくなります。
┣ ひび割れが発生する例
・水和熱によるひび割れ
水和熱の発生により、コンクリート内外の温度差により生じます。
・乾燥収縮によるひび割れ
コンクリートが乾燥により収縮し、ひび割れを発生させます。
・打ち重ねによるひび割れ
不適切な打ち重ねによるひび割れ。凝結が進んだコンクリートに新しいコンクリートを打ち重ねると、コールドジョイントが発生しひび割れの原因となります。(コンクリートが一体化しない。)
・コンクリートの材料の品質によるひび割れ
セメント材料の品質や、練合せに問題がある場合に起こるひび割れ。
・沈下によるひび割れ
コンクリートが固まるときに沈下と凝固が同時に進行する際に発生するひび割れで、コンクリートの沈みに対して、内部の鉄筋などが拘束(邪魔する)することによってひび割れが生じます。
・型枠の変形によるひび割れ
コンクリートが凝固する際に型枠が変形することによって生じるひび割れ。
湿度と温度、単位水量、使用する材料、練合せ、養生の方法により硬化コンクリートの強度は安定度は変わり、ひび割れなどが発生する恐れがあります。