コンクリートの劣化の種類として、「塩害」「アルカリシリカ反応」「中性化」「科学的浸食」「凍害」「疲労」「すり減り」などがあります。このページでは中性化の特徴についての説明をいたします。
中性化とはpH(ペーハー)が12~13の強アルカリ性のコンクリートに大気中の二酸化炭素(CO2)が侵入することにより、水酸化カルシウム等のセメント水和物と炭酸化反応を起こすことによってアルカリ性が低下する劣化現象です。中性化が進行すると、不動態被膜が破壊され、鉄筋等の鋼材が腐食環境下に置かれることにより、鋼材腐食が進行することにより、コンクリートの体積が膨張し、ひび割れ・剥離・剥落などの原因となります。
┣ 中性化の特徴
・中性化の劣化の原因となるのは、二酸化炭素(CO2)と水です。
・中性化はコンクリート自体の品質や気温、湿度、融雪剤の散布などにより影響を受ける。
・コンクリートの中性化の判断には、フェノールフタレイン溶液(1%)を用い、コンクリート表面に噴霧し、赤紫色に変色しない箇所が中性化した箇所であると判断します。
・中性化の進行は、コンクリートが乾燥状態にある場合の方が早い。
・中性化の深さxは、x=a√t(a:中性化速度係数、t:時間)の式を用いて その深さに達するまでの時間を予測することができます。
・中性化速度は屋内コンクリートの方が、屋外コンクリートよりも速い。
⇒一般的に屋外は屋内に比べて二酸化炭素の量(濃度)が低く、雨などにより水の供給が見込め、水和が進行するため。
・同一セメント量のコンクリートについて、単位水量の多いコンクリートの方が中性化速度は大きい。
⇒水セメント比が大きくなると、劣化の要因となる二酸化炭素などが侵入しやすくなるため。
・混和材を用いたセメントを使用したコンクリートはスラグの使用量が増えると、ポゾラン反応によりコンクリート中の水酸化カルシウムが消費され中性化速度は大きくなります。