品質管理の目的は何か。
土木工事の図面、仕様書には、通常工事の目的物を作る材料、工法、寸法などの規格などが明示されているが、受注者はこの仕様書にしるされた規格・品質を十分に満足し、かつ経済的に作るための管理基準を定め、合理的な計画を立て、それを実行すること。一方発注者についても仕様書にしるされた規格通りに目的物が作られているか。ということを定められた検査方法より検査しなければならない。
品質管理の進め方
品質管理は、
A.計画 ⇒ B.実施 ⇒ C.検討 ⇒ D.処置 の順に実行を繰り返す。
1.管理しようとする目的物の品質特性を決める。
2.その特性について品質標準を決める。
3.作業標準(作業の方法)を決める。
4.作業標準に従い施工を進め、データを採る。
5.ヒストグラムを描く。(工程が安定しているかを確める)
6.工事に異常があった場合はその原因を追求し、再発がないように作業方法を見直すなどの処置をする。
7.①予備データを採った期間とほぼ同程度の期間経過したとき。 ②点が20点に達した時。 ③1か月経過したとき。には、最近のデータにより上記の手順5.を繰り返す。
◇品質特性
設計された品質を満たすために、何を監理の対象項目とするかを決める必要があり、これを品質特性という。
一般に品質特性を決める場合、
①工程の状態を総合的に表すもの。
②設計品質に重要な影響を及ぼすもの。
③代用特性または工程要因を品質特性とする場合は真の特性との関係が明らかであること。
④測定しやすいこと。
⑤工程について処置がとりやすいもの。
などの条件を考慮する必要があります。
◇品質標準
品質標準とは施工に際して実行しようとする品質の目標であり、実際に実現できるものであるべきです。
◇作業標準の作成
品質標準の決定を行うとともに、この品質を実現するための作業方法、使用する資材、機械などできるだけ詳しく具体的に決め、現場関係者に周知徹底しておく必要があります。
◇作業標準の留意点
┣ 標準は先手を打った管理が行えるように作成。
┣ 標準は明確に詳細を記載し、データを蓄えておく。
┣ 現場の実状に適しており、判定しやすい具体的行動基準をしめす。
┣ 工程に異常があった場合は誰が何をどこまでやるべきかを決める。
などがある。