寒中コンクリートとは日平均温度が4℃以下(冬)になることが予想されるような気象条件のもとで施工されるコンクリートは、寒中コンクリートとして施工しなければなりません。
┣ 初期凍害・・・冬、コンクリートが硬化前に氷点下にさらされると、著しくセメントの水和が阻害されたり、水分の凍結、氷の膨張により、耐久性や水密性が低下する現象を初期凍害と言います。また、初期凍害が起こってから養生をしても、所要の強度、品質を得ることができないため、対策を講じる必要があります。
寒中コンクリートの温度管理については、以下の方法を目安とする。(構造物の種類、断面寸法、配合によって異なります。)
・気温4~0℃・・・簡単な注意と保温。
・気温0~-3℃・・・水または水および骨材を熱し、ある程度の保温をする。直接セメントは熱しない。
・気温-3℃以下・・・水および骨材を熱し、コンクリートの温度を高め、必要に応じて保温・給熱の処置をとる。
材料および配合
セメント・・・通常はポルトランドセメントを用いるが、所要の養生温度を確保するのが難しい場合は、早強ポルトランドセメントおよび超早強ポルトランドセメントを用いる。
骨材、水・・・気温が0℃以下となる場合は、骨材または水を加熱し、セメントを直接加熱しないようにする。水と骨材を混ぜたときの温度が40℃を超えないようにする。凍結した骨材は使用しないこと。
混和剤・・・AE減水剤、高性能AE減水剤を用いてAEコンクリート(空気量4~7%)とする。
<施工上の注意>
┣ 単位水量はできるだけ少なくする。
┣ 打ち込み時のコンクリートの温度は5~20℃になるようにする。
┣ 鉄筋・型枠・打継面などについた氷雪は加熱して溶かす。
┣ 気象条件が厳しい場合や部材が薄い場合は最低打込み温度は10℃程度、マスコンクリートの場合は5℃を下回らないように打込み温度を下げておく。
┣ 練り混ぜから打ち込みまでの時間をできるだけ短くする。
┣ 打ち込み後できるだけ早く養生シートなどで表面を覆う。
┣ 初期凍害を受けるとその後養生を続けても所要の強度を得ることは難しいため、所要の強度を得られるまでどの部分も凍結しないように保護する。
┣ 養生終了後は、急激に温度が低下し、表面にひび割れなどが発生する恐れがあるため、適当な方法でコンクリート表面の急冷を防止し、ゆっくりと外気の温度に近づくようにする。
┣ 養生終了後に型枠・支保工の取り外しは、供試体強度に達しているか確認後に行う。