マスコンクリートとは、質量や体積(寸法)の大きいコンクリートで、大規模な構造物で活用されています。
セメントの水和熱による温度上昇が大きく、それが降下する際、体積が変化し、温度ひび割れを生じやすい。
それゆえ、温度ひび割れを制御するために材料と配合、打込み、養生など十分に注意して行う。
<温度ひび割れを制御するための手段>
①温度上昇を抑制
②拘束の緩和
③ひび割れの集中
┣ 材料と配合
・低発熱形のセメントを使用する・・・フライアッシュセメント、高炉セメント、中庸熱セメント、低熱ポルトランドセメントなどを用いる。
・単位セメント量の低減・・・粗骨材寸法の大型化、スランプの低減、良質な混和剤、骨材を使用する。
・特殊混和剤の使用・・・良質のAE減水剤や、高性能AE減水剤を用いる。
┣ 打設及び養生
・温度上昇量の低減・・・パイプクーリングやプレクーリングにより、水和熱を除去。打込み区画の大きさ、リフトの高さを制限。打ち込み時間隔の調整。夜間での打込み。など
・高速の緩和・・・打込み区画の大きさを制限。打ち込み時間隔の調整。
<養生>
・水和熱によるひび割れを防止するため、部材全体の温度が下がる速度が大きくならないようにする。
・コンクリートの温度ができるだけ緩やかに外気温に近づくよう、所定の期間、湿潤状態に保つように養生する。