┣ 全断面掘削工法
文字通り、掘削するトンネルの全断面を同時に掘削する工法で、土圧作用の少ない安定した地盤に適した工法です。
わが国のような複雑な地質では作業は難しく、小断面のトンネル(30平方メートル程度)以外はあまり使用されていません。断面が大きい場合は大型の機械で支保工などのでき、掘削効率もよい。また、切羽が一か所に集中しているため作業管理がしやすい。覆工は本巻工法となる。
┣ 上部判断面先進工法
上半部と下半部にを分けて施工する工法。階段状に分離し、上半部を先行して掘削し、追従して下半部を掘削する。
大きな断面で、地質が安定しており、湧き水なども少なく、短いトンネルに適しています。
覆工は逆巻工法となる。
┣ 側壁導坑先進上部判断面工法
切羽の自立が難しい軟弱な地質の場合、トンネルの断面を小断面に分け、両側の土平部を導坑として先進させる。次に先進した導坑の側壁にコンクリートを打設し、アーチ部をリングカット、支保工の建込み後、上部の掘削に移ります。
覆工は本巻工法。
┣ 底設導坑先進上部半断面工法
トンネル断面の底部まんなかに導坑を先進して掘削する工法。導坑を支保工したうえで、上部、および側面の掘削にうつります。
地質変化の激しい場合に適しています。底部を先進導坑することで、地質や湧き水などを確認することができる。導坑内が狭いため、コンクリートの運搬などがしにくい。
┣ 中壁分割工法
トンネル断面の左右分割し、どちらか一方から先進掘削する工法。先進トンネルと後進トンネルの間に中壁ができるため、中壁分割工法と呼ばれています。
┣ リングカット工法
軟弱地盤の場合に、トンネルの中心部分を残し、上半分、外周部をリング状に掘削して、支保工、覆工施工後に中心部部分を掘削する工法。
トンネルの掘削方式としては、掘削機械で行う機械掘削と、火薬の発破で行う発破掘削とがある。