鉄筋の組立て・配置・加工についての注意事項は?
①配筋(配置)について
配筋とは、構造物のコンクリート中に鉄筋を配置すること、鉄筋を組み立てることです。図面に定めた位置に、鉄筋を配置し、コンクリート打設中に動かないよう十分堅固に組み立てなければなりません。
②鉄筋の配置
鉄筋の組立についてはあらかじめ組立図を作成し、設計図通りに固定し、組み立てる
配筋精度を確認しておく。
かぶりはどの位置においても最少かぶりを確保する。
鉄筋に付着している錆、泥、油、ペンキなどは組立前にしっかりと清掃しておく。
鉄筋の交点の要所を直径0.8mm以上の焼なまし鉄線等で鉄筋が移動しないように緊結し、使用した焼きなまし鉄線等はかぶり内に残してはいけない。
③スペーサ
鉄筋のかぶり厚さや間隔を保つために重要なものであり、使用する部位や所要かぶり厚さに応じてスペーサーの材種や形状・サイズなどを使い分ける。(モルタル製、コンクリート製、鋼製、プラスチック製などがあります。)
④鉄筋の加工
鉄筋は設計図書に指定された寸法及び形状に合わせて常温で正しく加工して組み立てる。鉄筋をやむを得ず熱して加工する場合は現地において試験施工を行い、悪影響を及ぼさないことを確かめた上で施工方法を定め、施工する。一般的には加熱温度を十分に管理し、急冷させないことが大切です。
鉄筋の曲げ形状の施工にあたっては、設計図書に鉄筋の曲げ半径が示されていない場合は、「コンクリート標準示方書」の規定による。もしくは規定以上の半径で曲げる。
原則として曲げ加工した鉄筋を曲げ戻してはならない。
⑤継手
引張鉄筋の継手の種類には、重ね継手、溶接継手、スリーブ、ガス圧接継手があります。
原則、継手を同一断面に集めてはならない。
鉄筋の重ね継手は、設計図書に示す長さを重ね合わせ、直径0.8mm以上の焼なまし鉄線で数ヶ所緊結しなければならない。
継手を同一断面に集めないため、継手位置を軸方向に相互にずらす距離は、継手の長さに鉄筋直径の25倍を加えた長さ以上としなければならない。
⑥鉄筋の定着
鉄筋がコンクリート構造物から抜け出すのを防ぐために、一定の長さをコンクリートに埋め込むことをいいます。付着により定着させるか、フックを付けて定着するか、鉄筋の端部に定着板等の定着体を取り付けて機械的に定着する必要があります。
⑦鉄筋の腐食防止
将来の継足しのために構造物から鉄筋を露出しておく場合には、損傷、腐食等からこれを保護しなければならない。