明り掘削とは、トンネル工事や縦坑工事ではない、露天の状態で掘る掘削の作業のことをいう。トンネル照明を必要としない明るい状態で行う掘削工事が元々の意味で、照明の不要な昼間、照明のもとで行う夜間工事を問いません
このページでは明り掘削においての安全基準についてまとめています。
(1)作業箇所の調査を怠らないこと。
┣ 形状・地質・地層の状態
┣ 亀裂、含水、湧水 及び凍結の有無の状態
┣ 埋設物などの有無及び状態
┣ 高圧のガス、上記の有無および状態。
⇒これらを調査の上、災害防止対策に努め、時期及び順序を定めて掘削作業を行う。
(2)掘削面の勾配の基準
明り掘削において、手掘りによる掘削作業を行う場合(砂からなる地山、または発破などにより崩壊しやすい状態になっている地山)の勾配の基準は次のようになっている。
①砂からなる地山・・・掘削面の勾配を35度以下とし、掘削面の高さは5メートル未満とする。
②発破などにより崩壊しやすい状態になっている地山は掘削面の勾配を45度以下とし、掘削面の高さを2メートル未満とする。
③岩盤や硬い粘度からなる地山は、掘削面の勾配を75度以下とし、掘削面の高さを5メートル未満とする。
(3)点検
点検者を定め、地山の崩壊や落石など、労働者の危険を防止するため、次のような点検を行う。
①その日の作業開始前、大雨の後、中震以上の地震後に作業個所及びその周辺の地山について点検させる
┣ 浮石・亀裂の有無および、その状態、湧水および凍結の状態の変化
┣ 発破を行った後、浮石および亀裂の有無およびその状態を点検。
(4)地山の掘削作業主任者の選任
掘削面の高さが2メートル以上となる地山の掘削作業については、地山の掘削及び土止め支保工作業主任技能講習を修了した者のうちから、地山の掘削作業主任者を選任しなければなりません。
その職務は、「作業方法を決定し、直接指揮する」「器具・工具の点検並びに不良品の除去」「安全帯・保護帽の使用状況の監視」などを行う。
(5)地山の崩壊などによる危険防止に努める
明り掘削において、崩壊、落下による危険がある場合は、危害防止のため土止め支保工、防護網を設け立入禁止措置を講じる。
(6)埋設物等による危険の防止
明り掘削において、埋設物により労働者に危険が及ぶと予測される場合、危険を防止する措置を取らなければならない。
露出したガス導管の損壊により労働者に危険を及ぼすおそれのある場合は、つり防護、受け防護等による当該ガス導管についての防護を行ない、又はガス導管を移設する等の措置でなければならない。
(7)掘削機械などの使用禁止
明り掘削において、掘削機械の使用により、ガス導管など地下工作物の損壊により労働者に危険が及ぶおそれがある場合には、掘削機械の使用をしてはならない。
(8)掘削・積込み機械の安全作業
(9)運搬機械などの運行の経路等
運搬機械、掘削機械、積み込み機械の運行の経路、積卸しへの出入りの方法を定め労働者に周知しなければならない。
(10)誘導者を配置
明り掘削において、運搬機械などが後進して労働者の作業箇所に接近するとき、転落するおそれがあるときは、誘導員を配置して機械の誘導をさせなければならない。
(11)保護帽の着用
物体の飛来又は落下による労働者の危
険を防止するため、当該作業に従事する労働者に保護帽を着用させなければならない。
(12)照度の保持
明り掘削において、掘削作業を行う場所は作業を安全に行うために必要な照度を保持しなければならない。