土木とは何でしょうか?土木施工には土質の調査、盛土、法面、軟弱地盤の改善、コンクリート、河川などたくさんの施工があります。このページでは土木、土木施工について少しでも皆さんに知っていただきたく、基礎的な知識を掲載していきます。是非お役立てください。

土留め工・土留め壁について

土留め工とは

土留め工とは、掘削深さが1.5メートル以上となる場合に、「建設工事公衆災害防止対策要綱」で行うように定められています。掘削法面の崩壊の防止および周辺地盤の変形・沈下などの防止対策として実施されます。土留め工法は、自立式・切梁式・アンカー式・アイランド式に大別され、構造物の深さ大きさ、地質・地下水、原位置の周辺の状態、施工環境によりどの工法とするかを選択する。


┣ 自立式・・・切梁や腹起しなどの支保工を用いず、主として矢板、お役位を打ち込み、掘削側の地盤の抵抗により土留め壁を支持する工法。
≫ 比較的料理砂地盤で掘削の深さが浅い場合に用いられる。
≫ 掘削面内に支保工がないため、掘削がしやすい。
≫ 自立式は、土圧・水圧が小さいとき及び土留・仮締切壁の変位が問題とならないときに適用される。
≫ 支保工がないため、土留め壁の変形が大きくなるので注意しなければならない。

┣ 切りばり式・・・切梁、腹起しなどの支保工と掘削側の地盤の抵抗により土留め壁を支持する工法。
≫ 現場の状況によって支保工の数や配置を変更することができる。
≫ 掘削の進行とともに、腹起しを設置しそれに伴い切梁を取り付ける。
≫ 掘削が深く、敷地が狭い場合などで用いられる一般的な工法。
≫ 機械での掘削を行う場合、支保工が邪魔(障害)になる。
≫ 掘削面積が広くなる場合は土留め壁の変形が生じやすくなるため、支保工の数が増える。

土留め工、切梁のイメージ

┣ アンカー式・・・掘削周辺の地盤中にアンカー打込み、掘削側の地盤に設置した土留め壁に腹起しを取り付け、引張り抵抗により土留め壁を支持する工法。
≫ 掘削面内に切梁がないため、掘削機械でも作業しやすい。
≫ 編土圧が作用する場合や任意形状の掘削にも適応が可能。
≫ アンカーの打設が可能な、良質な地盤が必要であり、敷地も必要である。
≫ 掘削する周辺に地下埋設物があるとアンカーの施工の障害となる。
≫ 施工終了後にアンカーが地中に残っていると将来障害物となることがあるため、十分に注意する。

┣ アイランド式・・・掘削に先立ち、まず外周に土留め壁を打設し、その内側に法を残しながら掘削し、その内側(中央部)に構造物の基礎を構築する。これを支えとして斜めに切梁を設置し、法部分を掘削していく工法。
≫ 掘削面が広く、掘削深さが浅い場合に適している。
≫ 地盤が軟弱でヒービングを防止するためなどの場合に用いられる工法。
≫ 切梁などの材料費、組み立て解体の費用が少なく経済的。
≫ 掘削の深さが深い場合には適さない。
≫ 地下構造物が分割での作業となるため工期が長くなる。

┣ 控え杭タイロッド式・・・土留め壁の背面地盤中に型鋼、鋼矢板などの控え杭を設置し、土留め壁とタイロッドで繋げ、これと地盤の抵抗により土留め壁を支持する工法。
≫ 比較的良質な地盤で浅い掘削に適している。自立式では土留め壁の変位が大きくなると判断された場合に用いられる。
≫ 掘削内面に切梁がないため、機械掘削が容易にできる。
≫ 掘削する周辺に控え杭やタイロッドを設置するための敷地が必要です。